Ka na ta 15周年記念 季刊誌 さゆ 2021夏号

Ka na ta 15周年記念 季刊誌 さゆ 2021夏号の販売を開始しました。

春号よりページ数が増え、少しずっしりしている夏号です。
いろんな考え方だったり、抱えているものだったり、話しているうちに一瞬思うことだったり。
欠点や失敗や劣っていると思うものやこと。
それらも自分の大切な一部で、泣き喚いたり頬擦りしながら一緒に生きていけばいっか。
無理して隠す必要も、無理して曝け出す必要もないね。
そんなことを思いました。
性別や年齢を問わず、いろんな人が読んだ後、何を思ったりどう思うのだろう?
今号も、より多くの人に届くことを願っております。

 

季刊誌 さゆ
二〇二一 夏

目次
0 表紙写真 浅田政志 装丁 岩本実里
2 ポートレート 写真 Michael Goldberg
6 服とからだ 加藤かなた
12 kissシリーズより 陶芸作品 シシヤマザキ
14 一点 浅田政志
20 深山と大海のあわいにて 安達健
24 あの人に会いたい 小山田壮平
30 図と地の反転 トミヤマユキコ
32 メンタルイルネスの窓 岡崎幸治
38 のぶしなからの手紙 加藤かなた
42 マスク 小原華苗
43 自然ということ 松井香代子
44 生理 加藤かなた
46 下界の車窓から 鴨林克彦
どんよりでもハッピー ながはり朱実
48 おかっぺのおぱんつ!おぱんつ!おぱんつ! おかっぺ

全 48ページ
A4変形版(幅225mm×縦297mm)

 

Ka na ta というブランド名は平仮名の一字一字が古来から持つ意味に由来しています。

Ka 「か」は、「あなた」

na 「な」は、「眼、見ること」

ta 「た」は、「時間的空間的方向性」

 

「Ka na ta」はその平仮名の持つ意味の集合体

「あなたが見ている時間的空間的方向性」

 

という意味を込めています。ほとんどのファッションブランドがデザイナー自らの名前や、考え方をブランド名にしますがKa na taとは本来、デザイナーの加藤の創作物に対する呼称ではなく、それを纏っている身体と、その身体が対峙しているなにかについての呼称なのです。

 

Ka na ta は、服を作っていますが、服を作っているわけではないのです。

 

子守り唄はあるのに大人守り唄はないのでしょうか。大人は守られていないので防御を強くしなければいけないのですね、なんとなくわかります、そうやって防御を強くしていくと、何か柔らかいはずのものはどんどん固くなっていきます、固い方が誰かに攻撃されても壊れにくいからです、でも本来それは柔らかいものだったことも同時に忘れられていきます、大人が無意味に走らないのはそのせいです、子供は無意味に走ります、飛びます、回ります、宇宙のように。宇宙のことは理解できません、途方もないからです、人間は理解できないことが沢山あると心配します、わからないからです、わからないものは少し怖いからです、だから無意味に走らないようにコントロールします、わかるように、なるべく全てがわかるように、します、四角です、丸いと滑って回ってどこかへ消えてしまいそうなので四角にします、あなたの住んでいる部屋のように、今僕がいるこの部屋のように、四角にします、人間は丸い地球の上を何千年もかけて四角いものにしようとしてきました、その方が理解しやすいからです、防御しやすいからです。

 

その過程で失われてしまった柔らかい何かを探しています。それが Ka na ta であることを願っています。まず一番近いところから取り戻したいと思いました。身体のことです。

 

子供が突然走るとき、飛ぶとき、回るとき、そこには身体の発する言語があります。脳が発する言語よりも先に身体の言語によって動きが生まれます。そのときに現れる、ただの身体に僕はずっと興味を持ってきました。そのような柔らかさを保つ為に、服は大きく影響します。

 

僕が服を作る理由はそこにあります。そして服にこだわることなく、陶芸や建築に携わっているのも、根底には同じ理由があります。

 

世界で最も柔らかいものは、「水」です。

 

地球も身体にも同様に水が流れています。絶えることなく流れ続けています。水はどこかで流れを止められると濁ってしまいます。濁らないように、水そのものは流れ続けることを希望します。

 

僕は、水から多くのことを学びました。

 

そして、いつか「水」を作り出したいと思いました。その水のことをH2X と名付け、そのH2Xが流れる都市のことを Xity と名付けました。

 

そう名付けてしばらくした後、気づいたのです。

 

H2Xとは、服ではなく、身体そのものであることに。

 

Ka na ta はその為に服を作り、それが Ka na taに纏われた瞬間に、服を作ったKa na taは消失します。

 

新しいKa na taが世界のどこかで流れているのを心から願っています。

 

それを見たいだけなのかもしれません。

 

Ka na ta

朴訥/instagram